とびだせ ユズアメの森

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【編み物】かっこすぎるCast-onの世界〜あなたの作り目は何式?

編み物初心者のユズアメです。編み物は「暗器ぽくてかっこいいから」という理由でメタル輪針推しです。

世界の編み物界隈では、編み物スタート時の糸のかけ方を「キャストオン(Cast on)」、終了時の糸の止め方「バインドオフ(Bind off)」または「キャストオフ(Cast off)」と言います。日本語だと「作り目を作る」とかややこしい響きだったり、終了時は「止める」「伏せる」「閉じる」「はぐ」「伏せ止めをする」など表現が安定しないため、積極的に「キャストオン」と「バインドオフ」を使っていきたいです。かっこいいし。

キャストオンとバインドオフですが、これが初心者には超むずいです!!大抵開幕キャストオンか最後のバインドオフに失敗してがっかりします。キャストオンとバインドオフしたく無いのですが、そういうわけにもいかないので、かっこいいキャストオンやバインドオフの技法を調べてモチベーションを高めています。初心者なりに。

今回は自分のローカルのメモ帳に集めたかっこいいCO/BOの紹介です。

編み物の先輩には不要で、編み物をしない人には意味がない「誰得」感あふれる記事ですが、かっこよさだけ伝わればいいんだ!

キャストオンの部

Judy's Magic Cast On(ジュディーズ・マジック・キャストオン)

靴下をつま先から始める際に頻出し、日本語の本でも「Judy式作り目を作ります」とか普通に登場してびっくりします。Judyさんかっこいい。「ジュディーズ・マジック・キャストオン!」の魔法少女感たるや。
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German Twisted Cast On(ジャーマン・ツイステッド・キャストオン)

またの名を「Old Norwegian Cast-On(オールド・ノルウェイアン・キャストオン)」(動画説明より)。名前がかっこよすぎる。
伸縮性のある作り目で、ロングテールタイプです。「ロングテール」/「ショートテール」は、作り目を作る時に先に毛糸の端を引っ張ってたくさん糸を繰り出しておかないといけないタイプがロングテール、編みながら繰り出していけば良いのがショートテールと呼ばれるみたいです。私は以前ロングテールタイプの作り目で、最初に繰り出す糸の長さの見積もりを失敗して、必要な数の作り目を作る前に糸が足りなくなり、キャストオンをやり直した苦い経験があるので、ショートテール派です。
こういう左手をうねうねして糸をかけるキャストオンは、私にとってはかなり難しいです。綺麗にできないし、一回一回がうまくできたのか失敗したのかがわかりにくいです...。
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Chinese Waitress Cast On(チャイニーズ・ウェイトレス・キャストオン)

伸縮性があり、見た目が整うらしい、ショートテールのキャストオンです。左手に棒針、右手にかぎ針を持つ紹介動画が多く、編み物にかっこよさを求める自分としては満点といえるキャストオンです。試したことはないです。

キャストオンには、「イタリアンキャストオン」「ターキッシュキャストオン」など、国の名前を冠しているものもたくさんあります。このキャストオンは、提唱者が中国人のウェイトレスさんに教えてもらった作り目だったので、「チャイニーズキャストオン」ではなく「チャイニーズ"ウェイトレス"キャストオン」として有名になったそうです。編み物界ではこの名を知られぬウェイトレスさんが伝説の人のような扱いになっている模様。そんなバックグラウンドもかっこよすぎる!
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Stretchy Knitted Cast-on by Scarletzebra (ストレッチー・ニッテッド・キャストオン・バイ・スカーレットゼブラ)

上に引き続き、「左手うねうね系では無い」「ショートテール」「よく伸びる」「簡単」という条件で探していたところ遭遇したキャストオン動画で、名前は地味ですが再生回数と、編み物サイトでの引用は多そうなのでいつか試してみたいです。
"スカーレットゼブラ"おばさまの、かっこよすぎるハンドルネーム、「初めて動画を投稿します!」的なことを動画内で言っているがこれ一本しかアップされていない点、動画内にどーんと出ている「scarletzebra.com」はドメインが切れている点にも注目。本家サイトがなくなっても動画だけ浮遊霊のようにYouTubeに漂い後輩ニッターに参照され続ける。かっこよすぎる。
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COまとめ

キャストオンは大別して以下の4種類があります。

  1. 左手をうねうねして糸をかける系
  2. 棒針を二本合わせて編むように糸をかける系
  3. その片方をかぎ針にする系
  4. まず別の糸でかぎ針で鎖編みをしてから始める系

これに加え、「ロングテールかショートテールか」「装飾感の有無」「伸縮性の度合い」「難易度」などから選択していくことになります。靴下想定で調べ始めたので、よく伸びるキャストオンが中心になりましたが、伸縮性の無い作り目なら「Emily Ocker Eylelet」(エミリー・オッカー・アイレット)」など、まだまだ名前のかっこいいキャストオンがたくさん存在するみたいです*1


バインドオフの部

Jeny's Surprisingly Stretchy Bind-Off (ジェニーズ・サブライズィングリー・ストレッチー・バインドオフ)

これ、ネットや本で編み物を調べているとめっちゃ登場します。「ジェニーの驚異的に伸縮性のある伏せ止め」という意味ですが、日本の方のサイトでも、「JSSBO」とナチュラルに略称で登場します。「OHMSS」(On Her Majesty Secret Service:女王陛下の007)みたいでかっこよすぎる。
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Picot Edge Bind Off (ピコ・エッジ・バインドオフ)

バインドオフは、キャストオンとデザインを合わせるのがメインストリームっぽいです。なので、「チャイニーズ・ウェイトレス・キャストオン」に対しては「チャイニーズ・ウェイトレス・バインドオフ」など、それぞれに対応するバインドオフを調べて選べば良いのようです。伏せ止めついでに装飾をつけようという貪欲な手法も多くあり、その中で有名なのがこのピコ系です。ピコピコした装飾つきになります(雑)。ピコ太郎は関係ありません。
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Elizabeth Zimmerman's Sewn Bind Off(エリザベス・ジママンズ・ソーン・バインドオフ)

とじ針を使って縫いながらバインドオフする手法が日本の書籍でよく掲載されているのですが、「エリザベス」さんの名前は掲載されていないことが多いです。つまり、レジェンド。かっこよすぎる。
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まとめ

昔はYouTubeもRavelry*2もなく、口伝で技法が伝わっていき、後世に「オールドノルウェー」とか「ターキッシュ(トルコ)」とか狩り編みスタイルに名前がつくのは感慨深いですね。日本発では、キャストオンやバインドオフでは名前を冠しているメジャーなものは無いみたいですが、日本の「引き返し編み」は「Japanese short rows」として海外でも有名みたいです。また、海外には「編み図」という文化がないので、日本式の編み図のパターンは人気みたいですね!編み物でぬいぐるみ作る「編みぐるみ」は海外でも「amigurumi」というジャンル名です。

ちなみに、先輩ニッター(母親)に聞いたところ呼吸するようにを作り目を作っていて「何スタイル?」とか聞いても「は?普通のだけど?」みたいな反応をされました。調べたところ日本の本でデフォルトで紹介されている、有名な「指でかける作り目」は海外では「Slingshot cast on(スリングショット・キャストオン)」と呼ばれているようです。スリングショットはY字のパチンコのことですね。なのでもし聞かれることがあったら、「私のキャストオンはスリングショットだけど?」みたいに返すと、かっこいいと思います!

あと、調べていてわかったのが、海外の編み物ユーチューバーが、第二第三のジュディやジェニーになるべく、「ミラクル!」「ストレッチー!」とか「インビジブル!」など、けったいな名称でキャストオン・バインドオフ動画を投稿しており、再生回数が3桁だったり、コメント欄で「それXX式と同じだよね?」と指摘されていたりして、闇が深いなと思いました。